ロシア第二の都市サンクトペテルブルク。エルミタージュ美術館と川を隔てた対岸にも、ロシア有数の博物館がある。ロシア最古の博物館と呼ばれるクンストカメラである。
ロシアの「驚異の部屋」
クンストカメラはドイツ語の「Kunstkammer(驚異の部屋)」が由来。創立は1714年、ピョートル大帝が収集した「自然と人間による珍奇かつ稀覯なもの」のコレクションが元となっている。ロシアで最初に創設された博物館といわれており、現在は国立人類学・民族学博物館となっている。
人類学・民族学と冠しているだけあり、世界各地の民族学的な資料を多数展示している。日本に関するスペースもかなり大きいようで、巫女装束や刀などが展示されている。
ピョートル大帝の異形コレクション
民族学関連の資料も充実しているが、ここの目玉はやはり動物や人間の標本だ。オランダの解剖学者フレデリック・ルイシュらから購入した、奇形の胎児や頭部などの骨格やアルコール標本である。
また、ここの収蔵品として有名なのは、ピョートル大帝の妻であるエカテリーナ1世の愛人ウィレム・モンスの頭部である。妻の浮気に怒ったピョートル大帝は相手の男の首を刎ね、アルコール漬にして妻の寝室に飾らせたそうだ。
なお、ウィレムの妹(姉?)であるアンナ・モンス(ピョートル大帝の愛人の一人。ウィレムが処刑される以前に病死している)の頭部も保存されているらしいが、こちらの詳細は不明(もうちょっと突っ込んで調べてみました。その結果はこちらの記事で)。
開館は火〜日曜日の11:00〜18:00。月曜日は休館日で、月に一度水曜日も休みになる(要確認)。入館料は大人300ルーブル、学生100ルーブル。
参考
Kunstkamera 公式サイト。英語、ロシア語。内部の画像はここから引用。
クンストカメラ(Wikipedia) 外観の画像はここから引用。