続々と増えていた死体農場

長いこと「死体農場」はテネシー大学にしかないと思っていたが、最近改めて調べたところ、アメリカ国内にも他に5施設、オーストラリアに1施設あることを知った。ということで、前にも取り上げたテネシー大学人類学研究施設以外の「死体農場」をメモっておく。

死体農場の「市長」ビル・バス氏。Wikipediaより

ウェスタン・カロライナ大学

ノースカロライナ州カロウィーの大学構内にある、2006年に開設された全米で二番目の死体農場。通称「FOREST」と呼ばれ、法医学研究のほか、警察犬の訓練にも使われているとか。

テキサス州立大学

テキサス州サンマルコスにあるテキサス州立大学の施設の一つ、テキサス州法医人類学センター。元祖死体農場の設置と研究に奔走したビル・バスの元で学んだミッチェル・ハミルトンが運営に関わる。2008年に施設ができる前には、地元住人による反対運動もあったとか(当たり前か)。

サム・ヒューストン州立大学

テキサス州ハンツビルにあるサム・ヒューストン州立大学のテキサス南東応用法科学施設(Southeast Texas Applied Forensic Science Facility: STAFS)。サム・ヒューストン国立公園に隣接した森林地帯にあり、先の同じテキサス州内の施設とは気候や土壌などの条件がなかり違うのだとか。警察や検視官などの訓練にも使われている。

南イリノイ大学

イリノイ州にある南イリノイ大学の施設。2010年に新設されたが、当初は豚の死体を人間の代わりに使っていた。その環境から、既存の施設よりも死体の分解が早いと考えられている。

コロラド・メサ大学

2012年から稼働しているコロラド州のコロラド・メサ大学の施設は、既存の死体農場の中で最も乾燥した地域にあり、遺体の乾燥やミイラ化を研究できる。

オーストラリア・シドニー工科大学

オーストラリア・シドニー工科大学がニューサウスウェールズ州ヤラマンディ近郊に作った、アメリカ以外に作られた初の死体農場(Australian Facility for Taphonomic Experimental Research: AFTER)。2016年に開所。設立に関わったシャリ・フォーブス氏は現在、カナダで新たな死体農場を作ろうとしているのだとか。

The Sydney Morning Heraldより引用

環境が違えば同じ国内でもデータを使い回すことは難しい。そんなわけでアメリカとオーストラリアに続けとばかりに、カナダ、インド、イギリスでも死体農場を作ろうという動きがあるようだ。今後死体農場は世界各地にできていくのかもしれない。

日本でもいつの日か……と思うが、研究内容を考えると、無理かも。

参考
Body Farm (Wikipedia) 英語
Forensic Anthropology Center at Texas State テキサス州法医人類学センター公式サイト(英語)
The Sydney Morning Herald 英語

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