明治時代に「腐女子」という単語を使っていた小説があった

東京創元社の『怪樹の腕〈ウィアード・テールズ〉戦前邦訳傑作選』という短編小説集を読んでいたら、とある短編の解説に、最初に「腐女子」という単語を使ったのは押川春浪の『世界武者修行』ではないかということが書かれていた。

「腐女子」とはBLを好む女オタクを指す言葉だ。多分2000年前後くらいから2ちゃんねる等で自虐的に使われ始め、昨今ではBL趣味かどうかに関わらず、女オタク一般を指す言葉になっている感がある。

そんな言葉が明治時代に? と不思議に思って調べてみた。

明治時代の「腐女子」とは

国会図書館デジタルコレクションに明治35(1902)年3月刊の押川春浪『世界武者修行』が見つかったのでパラパラとめくっていくと、13ページ(コマ番号だと18)に問題の単語があった。

確かに「腐女子」とある。どういう文脈で使われているのか見ると…

……青年書生輩、其十中八九は恋愛を夢み、淫奔小説に酔い、柔弱小心活気無き事腐女子の如く、芸者に涎を流し、……

要するに、最近の男は情けない、女の腐ったようなのばかりだというような一文で問題の単語は使われている。当たり前だがBL趣味の女を指す言葉ではない。これって現代のキモオタの事じゃね?と思ったりも。

ちなみにこの小説、ちくま文庫から出版されている『明治探偵冒険小説集 (3) 押川春浪集』にも掲載されている。出版社解説によるとこの小説のあらすじは『生まれは貴なるも無銭無家の快男児・団金東次が如意棒片手に世界へ船出する、痛快活劇』とのこと。なるほど、腐女子などというキツい単語が飛び出る訳だ。

参考
国会図書館デジタルコレクション

スポンサーリンク
レクタ大