鉄の処女とギロチンを東京で見る 明治大学博物館

鉄の処女は中世ヨーロッパで用いられたといわれている拷問器具の一つだ。
聖母マリアをかたどった2mほどの立像で、内部の空間には長い釘が突きだしている。前面は両開きのドアになっていて、犠牲者を中に入れてドアを閉めると、釘が刺さるという寸法である。
床部分が抜けるようになっていて、犠牲者の遺体を地下水路に捨てられるようになっているものまであったといわれている。
FGOカーミラの宝具のあれ、といえば分かる人には分かるだろう。

この鉄の処女、実は東京で見ることが出来る。但し、本物ではなくレプリカであるが。

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罪と罰の歴史資料

明治大学博物館はJRお茶の水駅から徒歩5分、明治大学アカデミーコモンの地階にある。入場料は無料で、開館日なら誰でも入れる。
ビルの地下フロア一階分なので、それほど広い博物館ではない。だが、商品部門・刑事部門・考古部門の三部門でそれなりに充実した展示が行われている。

鉄の処女が置いてあるのは刑事部門フロアだ。
ここには主に日本の歴史的な刑罰や拷問の資料が置いてあり、江戸時代の高札や十手などの実物が見られる。磔や石抱きなどの刑具の再現があり、江戸末期に撮影されたさらし首や磔の写真資料と共に展示されている。

このフロアの一角に、「ニュルンベルクの鉄の処女」は置かれている。日本で唯一のレプリカだ。隣にはギロチンが置かれている。
どちらも日本にはここにしかないらしい。

The_exhibit_of_Meiji_University_Museum(wikipediaより)

実のところ、鉄の処女が実際に使われていたという証拠はないらしい。世界のあちこちにある鉄の処女も後の世に作られた再現品ばかりで、本当に使われていたかどうかは疑わしいということだ。

不思議な空間

数年前、この近隣に通っていたのでこの博物館には何度か行ったことがある。この博物館が入っているアカデミーコモンは、大学や予備校、会社などが建ち並ぶ都会の一等地にある、前面ガラス張りの近代的な高層ビルだ。最初に行った時は本当にここなのだろうかと疑問に思ったほど健全な雰囲気の場所だ。

刑事部門のフロアは何とも異様な雰囲気だったが、なかなか見応えのある展示だった。また機会があれば行きたいと思っている。各地から鉄の処女を見に来る好事家は多いらしく、展示されていた熱いメッセージカードが妙に印象に残っている。
なお、ここのミュージアムショップには鉄の処女Tシャツというイカれたグッズが売られていた。今でも置いてあるのだろうか。

開館時間は10:00〜17:00。日曜日、祝祭日、大学の定める休日などは休館となる。

参考
明治大学博物館

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