不眠症や頭痛にも効く? ドクターヤングの理想的なアナル拡張器

グロール精神医学博物館について調べていた時、ある展示物が妙に気になった。
その展示物の名は『Dr. Young’s Ideal Rectal Dilators』(ドクターヤングの理想的な直腸拡張器)。要するにアナル拡張器である。この展示物が異様なのは、これがいわゆるセックストイではなく、れっきとした医療用の器具であることだ。

展示された医療用アナル拡張器

痔と便秘のお供に…

1905年の広告

1905年のDetroit Medical Journalに掲載された広告によると、この器具は1/2インチ〜4インチまでの4サイズの硬いゴム製のアナルプラグのセットからなる。痔や慢性的な便秘の治療に役立つという触れ込みで、1セット$2.50という価格で売り出されていた。
1892年にフランク・E・ヤングが特許を取り、『痔と便秘の根本治療』を謳って販売を開始した。当時は医薬品以外の医療機器については規制が緩く、過激な宣伝も許される時代だった。

使い方は単純だ。まずお湯で適度な温度に温め、ワセリンなどの潤滑油を外側に塗りつける。次に、肛門に挿入し、座ったり横になったりして30分〜1時間そのままにしておく。次のサイズにいけそうなら、慣れたサイズのものを何度か出し入れしてから、大きなものを入れる。

今ならエロ目的か悪い冗談に過ぎないこのアナル拡張治療であるが、19世紀の末からアメリカで売り出され、1940年にFDAが効果なしどころか健康に危険であると判断するまで販売されていた。パッケージには不眠症、食欲不振、頭痛、下痢、消化不良、神経過敏など様々な効果が謳われており、販売禁止になるのも当然といえば当然だった。
FDAによって製品は廃棄されることとなり、現在はグロール精神医学博物館などに展示されるのみだという。

20世紀前半にアメリカでは様々なトンデモ医学が流行したのだが、このアナルプラグもその一つである。

参考
Dr. Young’s Ideal Rectal Dilators (Wikipedia) 英語。画像はここから転載。
Dr Young’s Rectal Dilators (The quack doctor) 英語

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