億万長者のオカルト屋敷 ウィンチェスター・ミステリー・ハウス

銃器に詳しくなくとも、ウィンチェスターの名は誰もが一度は耳にしたことがあると思う。
ウィンチェスターライフルはアメリカで西部開拓時代から使われている由緒正しき銃である。数々の映画やドラマで小道具として登場しており、意識せずとも見たことはあるはずだ。

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ウィンチェスターライフルM1873

ウィリアム・ワート・ウィンチェスターはこのライフルの製造・販売で成功を収め、莫大な資産を手に入れた。しかし、その一方で妻サラは、夫の会社のライフルによって殺された人々の呪いを恐れた。
そして、サラは霊障から逃れるため、カリフォルニア州サンノゼの一角に異様な屋敷を作った。それがウィンチェスター・ミステリー・ハウスだ。

悲しみの未亡人

サラ・ウィンチェスター(1840-1922)はコネチカット州で生まれ、1962年にウィンチェスター社社長のウィリアムと結婚、億万長者の妻として何不自由のない生活を送っていた。
しかし、1862年に生まれた一人娘アニーが1866年に死去、以降子供には恵まれなかった。
1880年には舅のオリバー・ウィンチェスターが死去し、翌1881年には後を追うように夫のウィリアムも結核で亡くなった。サラには夫の莫大な遺産が残された。

孤独と悲しみに苛まれたサラは、当時評判だった霊媒師に助言を求めた。霊媒師はウィンチェスター家が製造した銃によって奪われた沢山の命が一族を呪っていると告げた。
そして、その呪いを解くためにはコネチカット州ニューヘイブンから西に旅立ち、その場所に霊を慰めるための家を作り、立て続けるように助言したという。

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屋敷の外観

異形の屋敷

この話が本当かどうかには異論も多いのだが、実際にサラは東海岸のニューヘイブンから西海岸のサンノゼへとアメリカを東西に縦断し、後にウィンチェスター・ミステリー・ハウスと呼ばれるようになる大邸宅の建築に着手した。

総工費は550万ドルに及ぶといわれ、工事はサラの死まで38年間、一日も休まず続いた。銃によって殺された人々の霊が出るというので、どこにも通じていない階段やドアなどがあちこちに作られた。最終的に、160の個室、47個の暖炉、1万枚の窓ガラス、17の煙突、2つの地下室に3つのエレベータを備えた、巨大な迷路のような屋敷となった。

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上から見た図(google mapより)

大金持ちの未亡人が暮らすのに相応しく、生活用の設備も当時としては最先端のものが設えられていた。インテリアも贅を尽くした豪華なもので、ステンドグラスのほとんどはティファニー社が作成している。

1922年、サラの死により、ようやく屋敷の工事は終わった。
その後、屋敷は姪が相続し、売りに出された。現在はウィンチェスターインベストメンツLLCが所有している。カリフォルニア州の国家歴史登録財にもなっている。
現在は公開されており、ガイドツアーに参加すれば中を見られる。ハロウィンやクリスマスには特別なツアーもあるらしい。

参考
Winchester Mystery House 公式サイト

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